令和7年改正育児・介護休業法(介護編)の解説
いつも世話になってます!
今回は、令和7年4月と10月に施行される育児・介護休業法の介護部分について、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等の概要を解説致します。なお、今回も一般的に情報弱者である労働者側のメリットとなるものに焦点を当てていますので、企業への支援策については割愛しています。今回の内容はすべて令和7年4月施行となります。
1⃣介護離職防止のための個別の周知・意向確認
家族の介護の必要性に直面した旨の申出をした労働者に対し、事業主が介護両立支援制度等に関する情報(制度の内容)を個別に周知し、当該労働者の制度利用に関する情報(制度の内容)を個別に周知し、当該労働者の制度利用に関する意向を確認することを義務付けることとしました。
2⃣介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供
「労働者が40歳に達する日の属する年度」または「労働者が40歳に達した日の翌日から1年間のいずれかにおいて、労働者に対し介護両立支援制度等に関する情報提供を行うことを事業主に義務付けることとしました。
情報提供することが望まれる内容としては
①介護休業制度は、介護の体制を構築するための一定期間休業する場合の対応するものであること
⓶介護休業制度は、介護保険の手続きや「常時介護を必要とする状態」にある対象家族の通院の手続きなど、日常的な介護のニーズにスポット的に対応するためのものであること
③所定労働時間の短縮等の措置その他仕事と介護の両立のための柔軟な働き方に関する制度は、日常的な介護のニーズに対応するためのものであること
になります。
3⃣介護離職防止のための雇用環境整備
介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにするため、事業主は次の①~④のいずれかの雇用環境整備の措置を講じなければならないこととしました。
①介護両立支援制度等に関する研修の実施
⓶介護両立支援制度等に関する相談体制の整備
③自社の労働者の介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
④自社の労働者の介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
4⃣介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
介護休暇は常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護や世話をする労働者が請求したときに1年間に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで取得できる休暇ですが、「週の労働日数が2日以下の者」と「継続雇用期間6か月未満の者」については労使協定の締結により除外することができました。これについて、今回の改正では「継続雇用期間6か月未満の者」についての要件を廃止し、入社間もない労働者についても介護休暇の請求が可能となりました。
5⃣介護のためのテレワークの導入
「常時介護を必要とする状態」にある対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講ずることを事業主の努力義務とすることにしました。
6⃣「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」の見直し
例えば子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合には解釈が難しいケースもあることや「常時介護を必要とする状態」にあることを証明する書類の拡充が行われました。
以上概要(詳細はコチラ→厚生労働省育児介護休業法のページ)をご説明しましたが、これらはいずれも事業主に対して義務または努力義務とされているもので会社の規模は特に関係ありません。
たとえ社員が5人の会社でも対応しなければならないものとなりますので、もし「ウチの会社ではこんなのない💦」という場合は、各県労働局の雇用環境・均等部へ相談してみてくださいね♪
そして事業主・社長の皆さんについては、まずは厚生労働省委託事業者が行っている働き方改革推進支援センターまたは顧問社労士に相談するといいですよ♪
事業の拡大発展には優秀な社員を確保すること、そして優秀な社員を確保し維持するためには快適な職場環境が必要ですので、労使ともにきちんと理解して制度を活用していきましょうね!
ではでは(@^^)/~~~